
こんにちは、Yです!
浪人後に陸上サークルで1500m3分台・5000m14分台を出した方法や経験を発信しています!
「練習はこなせているのに、レースでは結果を出せない…」
そんな悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
もしかしたら、調整方法が適切ではないのかもしれません。

調整方法を変えるだけで、自己ベストを大幅に更新できる可能性もあります!
そこで今回は、「レース前の調整方法」について解説していきます。
「具体的な調整方法が分からない…」という方も、ぜひ参考にしてください。
結論:レース前の調整方法
結論から言うと、レース前にオススメの調整方法は以下のとおりです。
レースの8〜14日前から、トレーニング量を41〜60%へ徐々に減らす
※トレーニング頻度と強度は変えない
詳しく解説していきます。
一夜漬けでは体力はつかない

まず前提として、レース直前でハードなトレーニングを行なっても練習効果はすぐに現れません。
1〜2周間前にハードなトレーニングを行うと、かえって疲労だけが溜まっていきます。
トレーニング効果を得るには一定期間の継続が必要となります。
では、どれくらいでトレーニング効果は現れるのか?逆にどれくらいで薄れ始めるのか?
これらの疑問については、こちらの記事で解説しています。気になる方は参考にしてください。
テーパリングに関する研究

最適なテーパリングとは具体的にどのようなものなのか?
これについて、モントリオール大学のローレント・ボスケらの研究で結論づけられています。
ボスケらは、ランナー・水泳選手・自転車選手のテーパリングに関する182もの研究を調査しました(いわゆるメタ分析なので信頼性も高いと言えます)。
その結果、レース前に8〜14日かけて41〜60%にトレーニング量を徐々に減らしていくのが最適だという結論が出たのです。
ただし、トレーニング頻度と強度は変えないということです。
ただ、この結論には注意点があるとボスケらは言います。
注意点
では、どのような点に注意しなければならないのか?
ボスケらは、主に以下の点を考慮しなければならないと言います。
テーパリングの効果は個人差が大きい

まず、テーパリング効果には個人差があるという点です。
例えば、「レース後3〜4日で回復する人」もいれば、「レース後3〜4週間で回復する人」もいるということです。
また、それぞれのトレーニングレベルにも左右されるとボスケらはいいます。
トレーニング量を減らすと精神面に影響することもある

また、トレーニング量を減らすことでメンタルに負の影響をもたらすこともあるという点です。
これについては、皆さんも経験があるのではないでしょうか?
その一例をご紹介します。
アメリカ リバティ大学のジョシュ・マクドゥガルは、NCAAクロスカントリーランニングで優勝したランナーです。
※NCAA=National Collegiate Athletic Associationの略、全米大学スポーツ協会のこと
※NCAAクロスカントリー=クロスカントリーの全米大学トップ選手を決める大会
なんと彼は、レース1週間前に110マイル(約177km)も走っていたといいます。
ちなみに、この距離は彼の週間走行距離の最長距離からわずか1割減だといいます。
その前年は型通りのテーパリングをおこない48マイル(約77km)に抑えましたが、レースでは脚が動かなかったといいます。
あくまで目安

先程の例からも分かるように、テーパリングの効果には個人差があります。
そこで、まずは「レース前に8〜14日かけて41〜60%にトレーニング量を徐々に減らしていく」という方法を実践しましょう。
その後、これを目安に自分に最適なテーパリングを見つけていきましょう。
実例:5000m14分台を初めて達成したレース1〜2週間前のメニュー
実際に、僕自身が初めて5000m14分台を出したレース1〜2週間前のメニューです。
2020.10.11(日)〜17(土) 週間走行距離:71km
10/11(日) E2km、3000mT.T(8’55″72) + T3km(3’20/km)、E1.8km
10/12(月) E11.6km(5’27/km)
10/13(火) E11.6km(5’13/km)
10/14(水) E2km、I 1km(3’00/km)、T2km(3’10/km)、M3km(3’20/km)、M4km(3’30/km)、E1km
10/15(木) Rest
10/16(金) L15km(5’04/km)
10/17(土) E10km(5’02/km)
2020.10.18(日)〜24(土) 週間走行距離:55.65km
10/18(日) E2km、(I 1000m(3’00/km)・jog200m)×5、E1.6km
10/19(月) E10km(5’57/km)
10/20(火) E10km(5’12/km)
10/21(水) E2km、E1.2km、(T1.6km(3’10/km)・Rest2分)×3 + WS150m×3
10/22(木) Rest
10/23(金) E10km(5’23/km)
10/24(土) E40分=7.4km(5’20/km)
10/25(日) レース当日 E2km、E1.5km、5000m 14’43″10、E1km
レース1週間前 週間走行距離:71km
レース2週間前 週間走行距離:55.65km(前週比78%)
あらためて見直すと、僕自身は78%までしか走行距離を減らしていませんでした。
それでも14分台を出せた要因の1つには、もともと週間走行距離が多くなかったことが影響しているのではないかと思います。
普段の走行距離が特段多くなければ、極端に距離を落とさなくとも疲労が抜け、結果として適切な調整ができたのではないかということです。
このように正解は1つではなく、やはり個人にあったテーパリングを探っていくことが重要です。
まとめ
まとめると、レース前の調整方法は以下のとおりです。
レースの8〜14日前から、トレーニング量を41〜60%へ徐々に減らす
※トレーニング頻度と強度は変えない
ただし、あくまで目安なので自分に最適なテーパリングの方法を探っていく。
個別性の原則にもあるとおり、やはり自分に合ったトレーニング方法を見つけていくことが重要です。
※個別性の原則については、こちらの記事で解説しています。
皆さんも記録会などを活用しながら、自分オリジナルの調整方法を確立しましょう。
調整方法を確立できれば、自己ベスト更新はもちろん大会で勝てる強いランナーになれます。
以上、Yでした!
『良いトレーニング、無駄なトレーニング』(アレックス・ハッチソン著 草思社)
僕自身も類似の書籍を何冊も読みましたが、トレーニングへ即応用できる情報がたくさん載っていて非常に参考となりました。
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