解説|どの接地方法がベスト?【陸上 中長距離/マラソン】

ランニング

「どんな接地方法が一番速く走れるのか?」ランナーなら一度は気にしたことがあるポイントだと思います。最近は大迫傑選手の活躍や厚底シューズの登場もあって、つま先での接地が流行っています。

ただ、慣れない走り方は慢性的な疲労やケガにつながってしまいます。実際、無理やりつま先接地に矯正しようとしてケガをしたという声もよく耳にします。

そこで今回は”主な接地方法の種類”や”自分にあった接地方法の見つけ方”について解説していきます。

接地方法は動きの中で決まるもの

接地の種類

接地方法は大きく3種類あります。まず1つ目は足の前部で接地するフォアフット。2つ目は足裏全体で接地するミッドフット。そして3つ目はかかとから接地するリアフット(ヒールストライク)です。

  • フォアフット走法=足の前足部で接地
  • ミッドフット走法=足裏全体で接地
  • リアフット走法=踵から接地

この他にも、踵が少しだけ浮いて愛裏が半分だけ着くフォアミッドもあります。

少し前までは踵から着地するリアフット走法が主流でしたが、現在はミッドフットやフォアフットが主流となっています。

Y
Y

マラソンのテレビ中継を見てもらうと分かると思いますが、海外招待選手のほとんどはフォアフット走法です

接地方法は重心の位置で決まる

まず結論から言うと、足先だけのコントロールで強引に接地方法を変えることはオススメできません。なぜなら、接地方法は動きの中で自然に決まるものだからです。

例えば、走るときは脚を前に伸ばします。そのとき重心は脚よりも後ろにありますよね。このタイミングで接地をするからリアフットになるのです。

そこから少し重心が進んだタイミングで接地すればミッドフットになり、さらに進んで足が真下に来るタイミングで接地をすればフォアフットになります。

つまり、接地方法は重心と接地足との距離で決まるのです。

スピードの遅いランナーほど滞空時間が短かくなるため、脚を前に出した後すぐに接地することになる(=リアフットでの接地となる)。

逆に滞空時間が長いスピードランナーは、重心がより前進したタイミングで接地するのでフォアフットになるのです。

強引なフォアフットは絶対ダメ

一番やってはいけないのが強引にフォアフット走法に切り替えることです。なぜなら、スネの筋肉や膝に過剰に負荷がかかりケガにつながってしまうからです。

重心が遅れた状態でフォアフット接地をすると、膝が前に出過ぎたり、足が底屈(足首を下に伸ばすこと)した状態で地面を押すことになります。

その結果、膝が内側にねじれてしまい過剰に負荷がかかってしまうのです。さらに膝が内側にねじれることでスネにも負荷がかかり、シンスプリントなどの炎症につながります。

そのため強引にフォアフットで接地することは避けましょう。大迫選手のようなキレイな走りを見るとフォアフット走法に憧れてしまうものですが、ケガをしてしまっては本末転倒です。

自分の接地方法に合ったシューズを選ぶ

シューズを選ぶときも接地方法はポイントになります。最近は「厚底シューズVS薄底シューズ」という論争をよく目にしますが、どっちが良いとかではなく自分の走り方に合った方を選ぶべきです。

厚底シューズの特徴

厚底シューズ最大の特徴はなんと言ってもソールの厚さです。反発力が強く推進力を得やすいという特徴があります。これは”シューズからのサポートが多い”とも言えるでしょう。

  • ソールが厚く反発力が高いので推進力を得やすい
  • つま先まで厚いのでフォアフットでも恩恵を得やすい
  • ミッドフット〜フォアフット向き

ただ、これはデメリットにもなります。”シューズからのサポートが多い”ということは自分の脚力を使う割合が少ないということ。

そのため普段から厚底シューズばかり履いていると、自分本来の脚力が低下したり、走るときに必要な筋肉を使えなくなってしまう可能性が高まるのです。

  • シューズからのサポートが多い分、履き続けると脚力が低下する可能性アリ
  • ソールが厚い分着地が不安定になり、ケガの可能性が高まる
Y
Y

厚底シューズはクッション性の高さゆえ脚が内側にねじれやすいです。走り方にクセがつかないよう注意しましょう。

薄底シューズの特徴

薄底シューズはソールが薄い分シューズからのサポートが少なくなります。そのため、履きこなすには自分自身の脚力を強化する必要があります。

  • シューズからのサポートが少ないため、脚力を身に付ける必要がある

一方、シューズからのサポートが少ないということは、自分本来の走り方を身に付けることができるとも言えます。

むしろ薄底シューズを履き続けることで、走り方のクセを治したり脚力強化を図ることもできるのです。

  • シューズからの影響が少ないため、どの接地方法にも向いている
  • 地面の感覚を得やすいため着地も安定する
  • リアフット〜フォアフットまで対応可能

そのため「薄底シューズは厚底シューズに劣っている」と決めつけるのではなく、薄底と厚底を使い分けることをオススメします。

まとめ:接地方法は人それぞれ

今回は接地方法についてお話してきました。最後に内容をおさらいしましょう。

  • 接地は重心の位置で決まるもの
  • 足先だけで接地方法を変えるのは絶対ダメ
  • 接地方法に合わせてシューズを選ぶ

あくまで接地方法は結果であり、それ自体にこだわるのは本末転倒です。川内優輝選手をはじめ、フォアフット以外の走法でも結果を出しているトップランナーはいます。

そのため、まずは自分の走り方を知ることが大切です。スマホのカメラで自分の走りを撮影するなどして、接地方法を確認しましょう。

そのうえで自分に合ったシューズを選んだり、走り方を身に付けていきましょう。

参考書籍
Y
Y

陸上ブログの”Y-RUNNING.COM”を運営している” Y”といいます。詳しいプロフィールはこちら。この記事が気に入ったら、Twitterなどでシェアしてもらえると嬉しいです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました