こんにちは、Yです!
浪人後に陸上サークルで1500m3分台・5000m14分台を出した方法や経験を発信しています!
・「ケガを防止しながら練習を継続するにはどうすればいいんだろう?」
・「もっと効率よくトレーニング効果を得る方法ってないのかな?」
こういった疑問を持ったこと、ありませんか?
このような場合に役立つのが「トレーニングの7大原則」です。
なぜならトレーニングの原則には、継続してトレーニングを行うポイントや効率よく練習効果を得るメソッドが詰まっているからです。
そこで今回は、トレーニングの原則7つについて解説していきます。
原則を知っておくべき理由・メリット
「そもそも原則なんて知っていてメリットあるの?」と思いますよね…
メリットあります!(笑)
やはり原則と呼ばれるだけあって、知っている人と知らない人では長期的に大きな差が生まれます。
では、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
大きく分けると、主に3つのメリットが挙げられます。
ケガを防止できる
個人的には、これが最も大きなメリットだと思います。
部活やクラブでは、トレーニング強度が一律に設定されることが往々にしてあります。
しかし、身体の成長スピードや優れている能力は個々の選手ごとに異なります。
継続して練習を積むためには、自分のレベルに合ったメニューを組むことが大切です。
効率の良い練習ができる
「同じ練習メニューを行っているのに、なぜか自分だけ結果が出ない…」ということありませんか?
こういった悩みも原則を押さえれば解決できます。
例えば…
・練習中に意識するポイントを変える
・トレーニング強度を見直す
これだけでも結果が出るようになります。
モチベーション維持につながる
トレーニング効果を得るためには一定程度の継続が必要です。
また、トレーニング強度を上げても得られる効果は徐々に逓減していきます。
これらの原則を知っていれば、なかなか結果が出なかったり停滞期に直面したとしても、冷静に練習を継続することができます。
トレーニングの7大原則
では、トレーニングの原則とはどんな内容なのか?それぞれ解説していきます。
トレーニングの原則は全部で7つあります。
①全面性の原則
全面性の原則とは、「あらゆる要素をバランスよく鍛えることが大切である」ということです。
偏ったトレーニングばかりを行ってしまうと身体への刺激が一辺倒になってしまいます。
これでは他の刺激が入らずにタイムが伸び悩んでしまいます。
例えば、以下のような例が挙げられます。
中長距離のレースに必要な能力は、jogだけでは強化できません。
だからこそ、バランス良く鍛えることが大切です。
②個別性の原則
個別性の原則とは、「トレーニングの強度・量は個々の競技力・能力に合わせたものにすべきである」というものです。
僕自身の経験からも、この原則は非常に重要だと感じています。
なぜなら、ひとくちにランナーといっても一人ひとりは異なる特徴・武器を持っているからです。
高校や大学の部活では、設定タイムでグループ分けをする場合がほとんどだと思います。
このような場合、個別性の原則に沿って自分のレベルに合ったグループで走ることが何よりも重要です。
③意識性の原則
意識性の原則とは、「トレーニングの目的・強化したい部位を意識することが重要である」というものです。
「よく目的意識を持つことは大切って聞くけど、実際意味あるの?」と思う方もいるのではないでしょうか?
結論から言うと、大いに意味あります。
なぜなら、目的意識を持つことで実際にトレーニング効果が上がるからです。
例えば、以下のように筋肉を動かす際も目的意識がトレーニング効果を引き上げてくれます。
つまり、使ってる部位を意識することでトレーニング効率を高めることができるのです。
決して精神論ではなく、トレーニング効果に直結するものだと言えます。
また、ペース走などの持久力を高めるトレーニングでは、生理学的な限界よりも心理的限界によりトレーニングを完遂できないケースが多々あります。
こうした心理的限界を超えるためにも、意識を持ち集中力を高めることが大切です。
普段のjogからハードなポイント練習まで、この意識性の原則を忘れないようにしましょう。
④特異性の原則
得意性の原則とは、「トレーニングで使った部位のみが強化される」というものです。
「そんなの当たり前じゃん」と思う方もいるかも知れません。
しかし、ここで注意して欲しいのが、この特異性の原則はトレーニング強度にも当てはまるということです。
例えば、以下のような例が挙げられます。
- タイムを伸ばしたくて「走る」
- 「3’00/kmで走る人」と「5’00/kmで走る人」がいるとする
- 走るという点では同じだが…
- 3’00/kmと5’00/kmでは得られる効果が異なる※
- 3’00/km→VO2maxの向上
- 5’00/km→毛細血管の新生、ケガ耐性がつく…etc.
※個別性の原則にもあるように、一概にペースだけでは判断出来ません
つまり、走るときの強度(=ペース)にも偏りがあってはいけないということです。
なので、持久系が得意だからといってペース走やjogばかり行っていると、そのペースで得られる刺激のみが与えられ、他の機能は強化されないということになります。
全面性の原則にも通じますが、走るペースも偏りがないようにしましょう。
⑤漸進性の原則
漸進性の原則とは、「タイムを伸ばすにはトレーニング強度・負荷を少しずつ上げていくことが必要である」というものです。
ずっと同じ設定タイムで走っていると身体が慣れてしまい、それ以上効果を得ることが出来なくなります。
そこで、タイムを伸ばすために適正な強度で少しずつ負荷を上げていく必要があります。
- 重要なのは「少しずつ」負荷を上げていくこと
- いきなり強度を上げすぎると…
- ケガにつながる
- メニューを全てこなせず、なかなか結果が出せなくなる
「でも、強度が適正かどうかなんて分からない…」
そんな方は、以下の指標を目安にすることをオススメします。
「主観的強度って、全然客観的じゃないじゃん」と感じた方もいると思います。
ですが、「自分の身体の声を素直に聞けるか?」というのは、そのランナーの「強さ」に直結します。
極論を言ってしまえば、練習をずっと継続できるランナーが強くなるわけですから。
一時的に効果が出たとしても、「自分の身体の声」を無視し続けてケガを繰り返せば、いつまでも伸び悩むことになります。
⑥継続性の原則
継続性の原則とは、「トレーニング効果を得るには一定の継続が必要である」というものです。
中長距離はトレーニング量(強度)に対して非常にリターンの大きい種目であると、個人的には感じています。
ただし、これは正しい努力を継続して行っている場合のみに限られるということも、僕自身の経験から痛感しています。
トレーニング強度が高すぎればケガをするし、低すぎても成長は見込めません。
適正な強度で、一定期間トレーニングを継続することが重要です。
「じゃあ、どれくらい継続すればトレーニング効果が出るの?」という疑問については、こちらの記事で解説しています。
⑦収穫逓減の原則
収穫逓減の原則とは、「タイムが伸びるに連れて、トレーニング効果の伸び代は低下していく」というものです。
いわゆる「伸び悩み」と呼ばれるものです。
タイムの伸び悩みに直面すると更にトレーニング量・強度を上げたくなりますが、これではケガに繋がります。
伸び悩みに直面した時は、以下の2点を思い出してみてください。
- 得られる効果が少なくても、適切な量・強度の練習を継続していく
- メニューを変更するなどして、新たな刺激を身体に与える
継続性の原則にもあるとおり、最も大きな損失はケガをして走れなくなることです。
焦らず、工夫しながら練習を継続していきましょう。
覚えきれない!という方に…これだけは押さえておきたい原則
ここまで7つの原則について紹介してきましたが、「一度に覚えられない!」という方もいるかと思います!笑
そこで、僕自身の経験から「まずは、これだけは押さえておきたい」と感じた原則を紹介していきたいと思います。
最初から原則を意識していたわけではなかったけど、後々自分の練習内容を振り返った際に「まさに原則の通りだ!」と感じたこともありました。
そういう場合は決まってタイムが伸びていったので、やはり原則をおさえる価値は十分にあると思います。
全面性の原則
先述したように、バランスよく練習することが大切だということです。
しかし、そもそも「バランスの良い練習」とは何でしょうか?
何を持ってバランスが良いと言えるのか?
そのバランスを構成する要素として、以下の3つが挙げられます。
- ランナーの強化する能力(スピード・スタミナなど)
- トレーニング場所・走路面
- コース・勾配
ランナーが強化する能力
これに関しては、皆さんにとって当たり前過ぎるかもしれません。
当然ですがスピードだけを磨いても勝てませんし、スタミナだけを伸ばしても勝てません。
また、いくらスタミナを伸ばしても体幹が弱く無駄な動きが多ければ、その分スタミナを消費してしまいます。
やはり、バランスよく鍛えていくことが重要です。
トレーニング場所・路面
「走ること」自体は、大抵どんな場所でもできると思います。
だからこそ、「どこで走るか?」というのは大切です。
例えば、jogはロードで走る方が多いと思います。
ですが、ロードは路面が硬く脚へのダメージが大きいため、ケガのリスクが高まります。
一方で、土や芝などの柔らかい路面は脚への衝撃を減らしてくれます。
中長距離ランナーのケガは、そのほとんどが接地の衝撃が繰り返されることに起因すると言われています。
つまり、「どこで走るか」は非常に重要だということです。
コース・勾配
普段のランニングコース・勾配についても、考慮する余地があります。
なぜなら、勾配のあるコースを走ることで得られるメリットは多く存在するからです。
例えば、以下のようなメリットが挙げられます。
勾配のあるコースには、平坦なコースを走っているだけでは得られない効果が多々あります。
また最近は、勾配を測定できる高度計付きのウォッチも多く販売されています。
普段のjogコースの勾配が気になるという方は、試してみるのもアリだと思います。
(ちなみに、僕は高度計付きのウォッチを使っています)
以上、これだけは押さえておきたい原則の1つ目、「全面性の原則」についてでした。
伸び悩んでいる時は、練習の種類はもちろん、jogのコース・地面・勾配についても見直してみましょう。
個別性の原則
これだけは押さえておきたい原則、2つ目は個別性の原則です。
トレーニングの強度・量は個々の競技力・能力を考慮すべきである、というものでしたね。
なぜ、個別性の原則を覚えておくべきなのか?
その重要性を示す一例として、僕の通っていた大学で、体育会の陸上部に所属していた部員から聞いた話しをご紹介します。
大学陸上部(第一体育会)のチーム状況・練習メニュー
ちなみに僕の通っていた大学の陸上部は、箱根駅伝にも毎年出場している強豪でした。
以下、実際に陸上部の部員から聞いた体育会の実態です。
(ちなみに、彼は箱根駅伝に出場しました)
- 朝練は10kmjog(4’00/km)で、ほぼ毎日行う
- Aチームは大学構内の寮、Bチームは大学から徒歩10〜15分程の賃貸にてそれぞれ生活
- 練習は午前・午後の2部練習
- 午前=講義の合間に個々にメニューをこなしておく
- 午後=全体練習、監督やコーチも指導に来る
- 1日の走行距離は平均20〜30km(多い日は40km以上走ることもあるそうです。)
さすが強豪校って感じですよね。ただ、このチームではケガをする選手が多かったそうです。
もちろん全国レベルでしのぎを削る彼らには、「自分のペースで」など言ってられないのかもしれません。
ですが、選手の違いを考慮せず一律に同じメニューを課していたならば、それはまさに卵の壁当てであり、可能性のある選手までも潰してしまいます。
この点、サークル・二部体・市民ランナーは比較的自由度が高いという状況が武器となります。
これは決して強豪校を否定しているわけではありません。
上記の通り、強豪校では常にレベルの高い環境に身を置けるので、自身のさらなる成長に繋がります。
また、体育会へ入部するためにまずはサークルで実力をつけるという考えも全然ありだと思います。
どちらが良いとかではなく、自分の性格・考えに合った環境を選ぶことが大切だと思います。
恥ずかしながら僕自身も、少しでも速くなりたいという想いから常にトップチームで練習をしていた時期がありました。
ですが、大抵はメニューを完遂できず、むしろオーバーワークで潰れていきました。
皆さんには、このような遠回りをして欲しくありません。
まずは自分のレベルに合った練習を焦らず、少しずつ着実に力をつけていきましょう。
意識性の原則
3つ目は意識性の原則です。
意識すべきことの1つに、ランニングフォームが挙げられます。
ランニングフォーム
ちなみに、皆さんは理想のランニングフォームのイメージを持っていますか?
ミーハーと言われそうで少し恥ずかしいですが…僕は断然、大迫傑さんのフォームが綺麗でカッコイイなと思っています。
特に、一切の力を無駄にしない、あのダイナミックな腕振りに憧れます。
ただ、ランニングフォームは人それぞれで絶対的な正解は無いと思います。
(共通して言える基本のようなものはあると思いますが。)
そこで、まずは自分のフォームを意識することが大切です。
フォームを確認する方法として、以下のようなものが挙げられます。
この中で特にオススメなのがiPhoneのスロー撮影です。
一度記録すれば後で何度でも見直すことが出来るし、定期的に撮り直すことでフォームの乱れにいち早く気付くことも出来ます。
漸進性の原則
4つ目は漸進性の原則です。
この原則は、トレーニング強度・負荷は少しずつ上げていく必要があるというものでした。
では、具体的にどうやって負荷を上げていけばよいのでしょうか?
負荷の上げ方
負荷を上げる要素として、主に以下の4つが挙げられます。
ここで皆さんに伝えたいのは、距離を増やしたり強度を上げることだけが負荷を上げる方法ではないということです。
上記のとおり、セット間のRest時間を短くすることでも負荷を上げることはできます。
負荷を上げるタイミング
では、どういったタイミングで負荷を上げればいいのでしょうか?
主に以下のタイミングが挙げられます。
やはり、指標となるのはタイムです。
記録会で結果が出ているならば、練習の負荷を上げても問題ありません。
(ただし、レース後の疲労は考慮する必要があります。)
また、複数人で行うタイムトライアルも有効だと思います。
ただし、可能ならば実力の近いメンバー同士で行うことが望ましいです。
まとめ
今回は、トレーニングの7大原則について解説していきました。
最後にもう一度、7つの原則をおさらいしておきましょう。
もちろん、一度に全て覚える必要はないと思います。
迷った時に「あれ?どんな内容だっけ?」と思い出してもらえればなと思います。
迷ったときこそ基本に立ち返り、質の高い練習を継続していきましょう!
以上、Yでした!
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