「レース前の食事で、何を食べればいいのか分からない…」こういった悩み・疑問を一度は持ったことがあるのではないでしょうか?
結論から言うと、レース前は「糖質」を意識した食事を摂ることオススメします。僕自身、何を食べれば良いのか分からず、レースでエネルギー切れを起こすこともありました。
ですが、レース前の糖質摂取を意識するようになってから、1500m3分台・5000m14分台を達成することができました。
そこで今回は、「レース前の食事」について詳しく解説していきます。
基本は洋食より「和食」
まず、洋食より和食を中心とすることをオススメします
なぜなら…
- 主食・主菜・副菜がバランス良く揃えやすい
- 高たんぱく低脂質なメニュー多い
などの理由が挙げられるからです。
実際、和食には低脂質かつ高たんぱくな食品が多くあります。
油を使わずに作れる焼き魚や、納豆や豆腐などの大豆加工食品は低脂質かつ良質なたんぱく質を摂取できるのでオススメです!
また、和食には塩分を含むメニューが豊富なので、たくさん汗を掻くアスリートやランナーにとっては最適なメニューだといえます。
具体的には「味噌汁」や「お漬物」などのメニューが相当します!
一方、和食にも脂質を多く含むメニューもあります。
脂質を摂り過ぎれば体脂肪増加につながってしまうので注意しましょう。
もし外食する場合は、「お刺身定食」などの調理工程が少ないメニューをオススメします!
レース前は「いつもどおりの食事」を摂る
レース前はいつも通りの食事を摂るようにしましょう。
なぜなら、「普段食べ慣れていないモノを食べて体調を崩すリスク」を少しでも下げるためです。
ハードなトレーニングをおこなうと一時的ですが免疫力が低下します。
そのうえ、レース前は緊張から精神的なストレスも大きくなります。
そういった状態で普段食べ慣れていない食事を摂ると、お腹を下したりすることもあります。
また、泊まり掛けでレースに出場するときは特に注意が必要です。
ホテルのバイキングやビュッフェでは、ついつい色々なメニューを取り過ぎてしまいがちだからです。
これは僕自身の体験談でもあります。
(当日のレース結果はボロボロでした…)
そのため、レース前は普段食べ慣れているものを摂るようにしましょう。
朝食について
「朝食」は必ず食べる
朝食を食べないというヒトもいますが、これではダメで必ず摂るようにしましょう。
なぜなら、エネルギーが不足した状態で練習をしても得られる効果が減ってしまうからです。
朝食を抜いてエネルギー源となる糖質が不足すると、身体に上手く力も入らないうえ、頭もボーッとしてしまいます。
また糖質が不足した状態で運動を行うと、筋肉を分解してエネルギーを生み出すことになってしまいます。
そのため、朝食は必ず食べるようにしましょう。
あえて「朝食を食べずに走る」のもアリ
一方、朝練などで軽いジョグを行う場合はあえて糖質を摂取せずに走ることもオススメします。
糖質などを摂らずに走り出すと、身体が体脂肪をエネルギー源として使う割合が高まるためです。
体脂肪が使えるようになると、マラソンなどの長距離種目でも後半までバテずに走れるようになります。
そのため、目的が明確であれば朝食前に走ることもオススメです!
ただし、これは「朝食を食べなくてもいい」ということではなく、朝食前に走るのも一つの選択肢だという意味です。
トレーニング効果を高めるためにも、やはり「朝食」は大切です。
小腹が空いたときの食事
昼食で足りないときは「補助食」でカバー
練習前に小腹が空いたときは、パンやエネルギーゼリーなどを軽く摂るようにしましょう。
先述のとおり、練習前はエネルギー源となる糖質の摂取が大切だからです。
特にバナナやエネルギーゼリーなどは消化吸収も早く、胃に負担をかけずにエネルギーを摂取できるのでオススメです。
もし、おにぎりなどの固形物から糖質を摂取する場合はよく噛んで食べるようにしましょう。
しっかり咀嚼することでお腹に食べ物が残るのを防げます。
スナック菓子などは逆にエネルギーを消耗する
一方、スナック菓子やチョコレートなど脂質を多く含むモノはあまりオススメできません。
なぜなら、栄養にならないどころか逆にビタミンやミネラルなどの栄養を浪費してしまうからです。
脂質の代謝にはビタミンB2が使われます。
これが不足すると脂質がエネルギーとして使われにくくなり、体脂肪として身体に蓄積しやすくなってしまいます。
そのうえ、ビタミンB2は体内にストックしておけないので毎日食事から摂取する必要があります。
そのため、練習・レース前のエネルギー補給として菓子類を食べることは避けるようにしましょう。
記録会/大会/レース前の食事メニュー【1週間前〜前日まで】
オススメは「グリコーゲン・ローディング」
レース1周間前〜当日までの食事はグリコーゲン・ローディングをオススメします。
グリコーゲン・ローディングとは、糖質を限界まで体内に蓄えることを目的とした食事方法のことです。
なぜグリコーゲン・ローディングがオススメなのかというと、グリコーゲンが不足しているとパフォーマンスも低下するためです。
体内に蓄えておける糖質の量には限界があり、70kg男性で350g程度だと言われています。
そのため、レース当日から逆算して糖質を限界まで蓄えておくことはパフォーマンスUPに効果的なのです。
グリコーゲン・ローディングの具体的な方法
グリコーゲン・ローディングの方法は以下のとおりです。
ポイントは「糖質の摂取量を70%にする」という点です。
例えば、1日の摂取カロリーが2500kcalの場合、糖質から摂取する量は以下のとおりです。
1日のうち糖質から摂取するカロリー
→2500kcal×0.7(70%)=1750kcal
ただ、同じ食品を食べ続けるのも飽きがくると思うので、以下の食品を組み合わせて糖質の摂取量を増やしていきましょう。
糖質だけでなく、緑黄色野菜からビタミンやミネラルを摂取することも大切です!
グリコーゲン・ローディングの注意点
一方、糖質を摂取すると体内では水分も生み出されるのでむくみが生じることもあります。
これは脱水症対策としては有効ですが、同時に多少の体重増加にもつながります。
そのため、レース前にいきなり実践したりせず、事前にシミュレーションをおこなうことをオススメします。
もし「自分の身体には合わない…」ということであれば、普段どおり適量の糖質を摂取しましょう!
また、注意しなければならないのが食事の量です。
グリコーゲン・ローディングは「好き放題たくさん食べて良い」ということではなく、「食事のバランス・割合を変える」という食事方法です。
運動量を落としたのに、それ以上に食べていれば余分に体重は増えていきます。
練習量を落としたらその分食事量も減らしましょう。
記録会/大会/レース前の食事メニュー【前日】
レース前日の食事(特に夕食)で気を付けるべきポイントは2つあります。
食物繊維を豊富に含む食品を摂ると、腸内でガスが発生しやすくなります。
「ガスでなんとなくお腹が張っている…」などの経験があるヒトもいるかと思いますが、腸内環境が乱れると走りにもマイナスの影響が生じます。
そのため、豆類やイモ類などの食物繊維を多く含む食品は避けるようにしましょう。
また、調味料でもスパイスなどの刺激の強いものは避けたほうが良いでしょう。
記録会/大会/レース前の食事メニュー【当日】
レース当日は糖質を中心としたメニューを摂るようにします。
理由は既に述べているとおり、エネルギー源となるブドウ糖(グリコーゲン)を確保するためです。
また、ビタミンやミネラルを含む食品も摂取するようにしましょう。
スナック菓子の影響に関する説明でも述べましたが、ビタミンやミネラルは他の栄養素の働きを助ける効果があります。
そのため、野菜類や果物などから欠かさず摂取するようにしましょう。
緊張であまり食べられない場合の対策
レース前の栄養補給は必須ですが、レース当日は緊張からあまり食べ物が喉を通らないこともあるかと思います。
そんな時は前日の夜、就寝の1時間以上前に糖質中心の軽食を摂ることをオススメします。
具体的にはカステラやバナナなどがオススメです。
ただし、レース前日にいきなりこの方法を実践すると体調を崩す可能性もあります。
そのため、レース1週間前から試してみることをオススメします。
レース開始3〜4時間前までに食べ終える
レース当日の食事はレース開始時刻の3〜4時間前までに食べ終えることをオススメします。
消化吸収の時間には個人差がありますが、レース前は緊張から消化に時間がかかることもあります。
そのため、普段よりも時間を空けることをオススメします。
僕自身も、レースの時は最低でも3時間は空けるようにしています!
レース1時間前からは固形物を避ける
レース1時間前を過ぎたら固形物を摂るのは避けましょう。
この時間になると消化が間に合わずにエネルギーにならないからです。
もし1時間前を過ぎてしまった場合はエネルギーゼリーなどの消化吸収の早い食品で対応します。
ちなみに、僕はレース前にいつも「アミノバイタル」を飲んでいます。
また、どんなに遅くともレース開始20分前までにはエネルギーを摂取しておきます。
ただし、食事からではなくオレンジジュースやスポーツドリンクなどの飲料からエネルギーを摂取しましょう。
極論ですが、レース前は「食べ過ぎるくらいなら食べないほうが良い」と個人的には思います。
レース途中で腹痛を起こすと、とんでもなくツラいですからね…
まとめ:レース前・当日は「糖質」の摂取を最優先
今回は「レース前の食事メニュー」について解説してきました。
もう一度、内容をおさらいしておきましょう。
先述のとおり、消化吸収に要する時間や食べ物の合う/合わないは人それぞれです。
レース前の食事だけを気にするのではなく、普段から自分に合った食事を探してみてください。
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