【陸上1500m3分台】4分切りを達成するまでの練習

レベル・種目別メニュー

今回は、初めて1500m3分台を達成したときのトレーニングメニューを公開します。

1500m3分台を目指している方の参考になればと思います。

ちなみに、僕自身は『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』の考え方をベースにトレーニングメニューを組んでいます。

本書に記載されている「jog・ポイント練習の設定ペース」「レース前の調整方法」を実践してから、3ヶ月ほどで1500mのタイムが4’13→3’56まで伸びました。

タイムに伸び悩んでいるランナーの方は、一度読み込んでみることをオススメします。

参考書籍

各種目のシーズンベスト

3分台を出す前のシーズンベストは、それぞれ以下の通りです。

種目シーズンベスト日付
400m57’147/5
800m
1500m4‘13”597/5
3000m8’51″39/27
5000m15’08“74(PB)9/22

5000mが15’08となっていますが、これも3分台を出す直前に更新したものです。

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”15’08で走ったレースの半年前”には5.5kmロードレースで22分(4’00/km)かかっていました…

そのため、もともとタイムが速かったわけではなく「3分台を狙ったトレーニングの効果により5000mのタイムも向上した」という感じです!

なお、練習ペースなどを決める際はシーズンベストを基準にすることをオススメします。

前シーズン(及びそれ以前)の自己ベストを基準にすると、現在の競技レベルと必ずしも一致せず、結果としてオーバーワークやケガにつながります。

1500m3分台に必要な練習

月間走行距離

レースまでの月間走行距離(半年間)は、以下の通りです。

月間走行距離(km)
4月240
5月240
6月242
7月217
8月200.57
9月244.75

基本的に月200〜250km走っています。

週1回Rest(完全休養)を入れているので、平均すると1日当たり8〜10km走っていることになります。

各種メニューの順番(シーズン全体)

シーズン全体を通して、主に以下の流れに沿って練習をおこなっていました。

上記のように、まずは1シーズンを4つのフェーズに期分けします。

その後、各フェーズごとに強化したいポイントに沿ったメニューを組みます。

期分けVDOTと並んで非常に重要な考え方だと感じています。

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僕自身はこの2つの考え方に沿ってトレーニングをおこなったシーズンで、1500m3分台・5000m14分台を同時に達成できました。

では、以下のような疑問も含めて、具体的にどのように期分けすれば良いのでしょうか?

  • 各フェーズにどれくらいの日数・期間を割り当てるのか?
  • シーズン終盤では種目ごとに練習内容も変わるのか?

上記のような疑問については、こちらの記事を参考にしてください。

練習メニュー(レース1ヶ月前〜当日)

1週間の流れ

1週間ごとの練習の流れは以下の通りです。

曜日練習メニュー
ポイント練習(1回目)
Rest
Eデー
ポイント練習(2回目:Lランニング)
Eデー
ポイント練習(3回目)
Eデー
※太字はポイント練習

週の初日に最も重要な練習(=1回目のポイント練習)を行うようにしています。

これは、悪天候や不調などでポイント練習ができなくなる事態を防ぐためです。

また、L(ロング)ランニングも毎週必ず行っています。

Lランニングの距離は、週間走行距離の25%または120分間走のどちらか少ない方を目安に決めています。

1週間の流れをまとめると以下の通りです。

  • 週1日はRest(完全休養日)を設ける
  • ポイント練習は週2〜3回おこなう
  • その他の日はjogをおこなう

※週の初めを何曜日に設定するかは、各自のスケジュールに合わせてもらえればOKです

第1週(約1ヶ月前)

日付練習内容距離(km)
9/6E2km、
{(I 800m(2’24)•jog400m)×2•Rest8分}×3、E2km
10
9/7E10km(4’52/km)10
9/8E11.6km(4’41/km)11.6
9/9E2.4km、(R600m(1’36〜39)・Rest5分)×3+(I 1.2km(3‘48)・Rest5分)×3、E1.1km8.9
9/10Rest
9/11E10km(5’26/km)10
9/12E10km(5’08/km)10
太字ポイント練習

レース1ヶ月前はインターバルトレーニングを最重要視していました。

1500mはスピードと合わせて、スピードを維持する力も重要となります。

そのため、スピード練習とインターバルトレーニングをバランスよく組み合わせることを意識しました。

第2週(3週間前)

日付練習内容距離(km)
9/13E1.92km、I 5000m(15’18 “72 = PB6.92
9/14Rest
9/15E11.6km(5’11/km)11.6
9/16E2km、(I1km(3‘00)・Rest3分)×4、E1km7
9/17E11.6km(5’11/km)11.6
9/18E8km(5’10/km)8
9/19Rest
太字ポイント練習

週初めに5000mに出場したのでRest(完全休養)を2日挟みました。

僕自身はレース距離3kmにつき1日Restを設定しています。

また、基本的にレース翌日はRestにしています。

第3週(2週間前)

日付練習内容距離(km)
9/20E3.6km、(I 400m(1’12)・Rest3分)×34.8
9/21E40分(5‘37/km)7.2
9/22E2km、E2.2km、
I 5000m(15’08”74 = PB)
9.2
9/23Rest
9/24Rest
9/25L15km(5’34/km)15
9/26E10km(6’11/km)10
太字ポイント練習

前週に引き続き5000mの記録会に出場しました。

2週連続で記録会に出場するのはどうなのか?と感じる方もいるかと思います。

ですが、レースはポイント練習と同等(またはそれ以上)の練習効果が得られるので、オーバーワークにさえ気を付ければ全く問題ありません。

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実際、この時も2週連続で自己ベストを更新することができました。

一方、レース後は疲労も大きくjogのペースも5’30〜6’00/kmくらいまで落ちています。

第4週(1週間前)

日付練習内容距離(km)
9/27E2.0km、I3000m(8’50)+ T3000m(3’20/km)、E2km10
9/28E10km(5’37/km)10
9/29E40分(5’28/km)7.4
9/30Rest
10/1E1.8km、E40分(5’29/km)+WS×39.2
10/2E40分(5’34/km)7.4
太字ポイント練習

レース前は質を落とさずに量を落としていきます

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強度にメリハリをつけることを意識し、jogの日は徹底してペースを上げないようにしました。

ただ、jogの日が続くと刺激が一辺倒になってしまうので、適宜WS(ウィンドスプリント)をおこなうようにしています。

レース当日

日付練習内容距離(km)
10/3AM:E2km、1500m予選(4’08″6)、E2km
PM:E2km、1500m決勝(3’56″34)、E2km
11

レース前は状態確認も兼ねて、50〜100mのながし(WS)を数本おこないます。

素早い走動作をおこなうことで、より実戦に近い刺激を与えることができます。

ウォーミングアップ

レース前のアップについては、ながしに加えて動的ストレッチを重視しています。

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10分ほどjogをして体を温めた後は、素早い動きレース中の走動作を意識的におこなっています。

一方、レース前の静的ストレッチはパフォーマンスを下げることが分かっています。

レース前のアップメニューについては、こちらの記事を参考にしてください。

ラップタイム・ペース配分

レースラップタイムは以下の通りです。

距離スプリットラップ
400m1‘01“50
800m2’06”69(1‘05“19)
(1000m)(2’40”89)(34“2)
1200m3’10”85(1‘04“16)
1500m3’56”34(45“49)

主なレースプランは以下の通りです。

  1. 1週目は速いペースで入る
  2. 1000〜1200mまで耐える
  3. ラスト300〜400mでスパートをかける
  4. ラスト200mでもう一段階上げる

個人的に、2〜3週目でいかにペースを維持できるかが重要だと感じました。

1500m4‘00=1周64秒ペースなので、3分台を出すなら1周64秒を切るイメージでレースを組み立てます。

このレースでは1周目の貯金を2〜3周目で使い切らないという意識で走りました。

1200mまで我慢できれば、残り300mはスパートで稼ぐことができます。

逆に言えば、ラスト200〜300mでスパートをかける余力・スピードはある程度必要になると思います。

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これらについては、インターバルやレペティションで強化していきましょう。

ちなみに、過去の世界記録を分析した研究から自己ベストの出やすいペース配分も明らかになっています。

詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

位置取り・レース展開

個人的には、集団にポケットされない位置で走ることを意識しています。

なぜなら、他のランナーのペースで走ることで必要以上に体力を消費したくないからです。

逆に先頭から離されても、自分にとってオーバーペースなら無理に着いて行かないよう意識しています。

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このレースでも、ラスト400m時点で先頭と5〜7m程差をつけられていましたが、ラスト200mで先頭に追い付きトップに出ました。

あくまでも、「自分の走り」をすることが大切だと思います。

おこがましいですが、僕自身は大迫傑さんのレースに対する考え方を非常に参考にしています。

ご自身の書籍において、大迫さんはレース中の考え方について以下のように述べられています。

「・・・最初は目立たないようにいつも後ろの方で一歩引いて走るようにしています。仮にレースが動いたときにも、トップグループの中盤から後ろにつくことによって、一旦呼吸を置いて対応できるようになるからです。」

「自分の身体と対話をしながら、心に余裕を持つことが大切で、他の選手が上げ下げをしても、残りの距離を考えたり、彼らが200mで4秒上げるなら、僕は1kmかけて4秒上げればいいとか、常に外側からレースを冷静に分析しようというのは心がけていることです。」

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑 著 文藝春秋 より引用

MGCについて-
「・・・本来であれば集団の後ろでレースを進めるのが僕のスタイルなのに、変に考えすぎてしまった結果、前に出る場面が増えて、脚を使ってしまった。・・・」

2020年東京マラソンについて-
「・・・2020年の東京マラソンでは冷静に自分の走りができたと思っています。2位集団がペースを上げて距離が離れたときも「あ、行かれちゃったな」ぐらいに思えたし、むしろ自分のリズムに戻して走ることを選択できた。その結果、日本記録を更新できたのだと思っています。・・・」

『決戦前のランニングノート』大迫傑 著 文藝春秋
より引用

僕自身も極論を言ってしまえば、そのレースで1着を取れなくても自己ベストを更新できれば良いと考えるようにしています。

その時点では1着で走る実力が無かっただけで、狙っているレースで勝ち切ることができれば良いからです。

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割り切ることで、緊張が和らいだり力みが取れるというメリットもあります。

シューズ(スパイク)

実際にレースで着用したadidas adizeroAvanti 2

シューズはadidasのアディゼロアバンチ2(2014年モデル)を使用しました。

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高校の時から使用していますが、特に問題なくレースにも対応できました。

個人的に重視しているのはプレートの反発力です。

スパイクは脚への負担も大きいですが、その分より大きな反発力を得ることができます。

ただ、シューズのプレートが極端にヘタってしまうと、そうしたメリットが減ってしまいます。

なので、旧モデルのスパイクを履く場合、プレートにある程度の硬さが残っているモノをオススメします。

特段の問題がなければ、シューズは個々の足に合ったもの履けば良いと思います。

※USサイズ(ゴールデンサイズ)について
・US8.0=26.0cm
・US8.5=26.5cm
・US9.0=27.0cm

まとめ

今回は、1500m3分台を達成したメニューについてご紹介しました。

今回ご紹介したメニューが絶対ではなく、あくまで個々に則したメニューをおこなうことが大切です。

一方で、どの種目においても自己ベスト更新に繋がりやすいトレーニングの傾向は存在するとも感じています。

まずは役に立ちそうだと感じたポイントだけでも、参考にしてもらえればと思います!

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陸上ブログの”Y-RUNNING.COM”を運営している” Y”といいます。詳しいプロフィールはこちら。この記事が気に入ったら、Twitterなどでシェアしてもらえると嬉しいです!

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