指導者なしで1500m3分台&5000m14分台を達成した経験をもとに、練習方法などを紹介しています。
中距離でもマラソンでも「ジョグ」は必須のトレーニングですが、
- どれくらいのペースや距離で走ればいいのかわからない
- そもそもジョグをおこなう意味やトレーニング効果がわからない
という人も多いと思いのではないでしょうか?
ただ、トレーニングのうち最も割合の高いジョグだからこそ、その効果や適切なペース・距離を知ることが大切です。
そこで今回は、ジョグの効果や適切なペース・距離について解説していきます。
実際 僕自身も、今回紹介するポイントを意識してから、半年で5000m14分台を出すことができました。
気になったポイントだけでもいいので、ぜひ参考にしてください。
ジョグで得られる4つの効果
ジョグの効果は大きく「4つ」あります。
それぞれの効果を知っていると、目的意識を持って走れるようになるのでジョグの質も上がります。
ジョグの効果とは…
- ケガに対する耐性ができる
- 心臓が強化される
- 毛細血管の新生が促進される
- 筋肉の筋繊維変化する
上記の4つです。それぞれ解説していきます。
①ケガに対する耐性ができる
ジョグをおこなうとケガをしにくい脚を作ることができます。いわゆる、「土台作り・基礎固め」と呼ばれるものです。
基礎ができていないと、たくさん走ることも強度の高い練習をおこなうこともできません。
これは走り始めたばかりの人から長年競技を続けているシリアスランナーまで共通して言えることです。
またメンタル的な面で言えば、「走ろうと思えば長時間走れる」という自信にも繋がります。
(ただし、走り過ぎはケガにつながるので注意しましょう!)
②心臓が強化できる
2つ目は心臓を強化できるという点です。
走れば心臓が強化されるイメージはあるかと思います。ただ、
「ジョグよりも速いスピードで走った方が心臓も強化できるんじゃないの?」
と感じた方もいるのではないでしょうか?
ですが、心臓を強化するにはジョグが最適です。
その理由は以下の通りです。
つまり、ジョグよりも速いペースで走ると心臓を強化する効果は減ってしまうということです。
だからこそ、常に速いペースで走るのではなくジョグペースで走ることが大切です。
③毛細血管の新生が促進される
3つ目は毛細血管の新生を促進するという効果です。
毛細血管は筋肉に酸素を届ける微細な血管です。
毛細血管が増えるということは、筋肉に運ばれる酸素の量が増えるということです。
筋肉に運ばれる酸素の量が増えれば、その分走るためのエネルギーを供給し続けられるようになります。
マラソンや中長距離のレースで結果を出したいなら、毛細血管を増やすことはとても重要です。
④活動筋の筋繊維が変化する
4つ目の効果は活動筋の筋繊維の変化です。
ジョグを継続すると、筋線維が変化してより多くの酸素を受け取れるようになります。
酸素を多く受け取れるようになると一定時間でより多くの燃料をエネルギーに変換できるようになるので、高強度の練習やレースペースでも長く走れるようになります。
ちなみに、この効果は筋線維に刺激を与える時間が長いほど大きくなるといわれています。
そのため、ジョグは一定時間継続することをオススメします。
ジョグのペースや距離
ジョグの効果について分かったところで、「実際どれくらいの距離やペースで走ればいいの?」と感じた方もいるかと思います。
そこで、ここからはジョグのペースや距離について解説していきます!
適正ペースは人それぞれ
結論から言うと、ジョグのペースはその人自身の走力によって決まります。
「何だよ、そのありきたりな答え!」と感じる方もいるかと思います。
ですが、「1km〇分ペースで走るのが最適です!」とは一概には言えません。
なぜなら、最適なジョグのペースはその人自身の最大心拍数を基準に決まるからです。
例えば、以下のようなケースで考えるとわかりやすいと思います。
つまり、ある人にとっては楽なペースでも、別の人にとってはオーバーワークとなる可能性があるのです。
だからこそ、ジョグは心拍数→ペースの順番で考えるようにしましょう!
最大心拍数の65〜78%で走る
ジョグは最大心拍数の65〜78%くらいのペースで走ることをオススメします。
(この数字はトレーニング書籍『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』を参考にしています)
実際に走ってみると分かりますが、かなり余裕を持って走れるペースです。
人によってはもっと速く走りたいと感じると思います!
ですが、ジョグはゆっくり走るからこそ意味があります。
速く走る練習は高強度のポイント練習などでおこなうことなので、ゆっくり走ることも身につけましょう。
そのために、まずは自分の最大心拍数を知ることが重要です。
坂道ダッシュを数本繰り返せば最大心拍数を測ることができるので、心拍センサー付きのランニングウォッチを持っている方はぜひ試してみてください。
心拍計付きのウォッチを持っていない方のために、参考として僕自身が使用しているウォッチを載せておきます!
ジョグは30分〜150分
ジョグは30分以上続けると練習効果が大きくなるといわれています。
そのため、1回あたり最低でも30分間は走り続けることをオススメします。
ロングジョグをおこなう場合も週間走行距離の20%または150分間のどちらか短い方に留めることをオススメします。
SNS等で2時間走や3時間走を頻繁におこなう方を見かけますが、練習効果よりもケガをする可能性の方がはるかに高いです。
まずは週1回を目安におこなうようにしましょう。
1回あたり1〜1.6kmずつ距離を伸ばす
ジョグの走行距離を伸ばす場合、1回あたり1km〜1マイルずつ伸ばすようにしましょう。
一度に5kmも10kmも走行距離を伸ばすと、目に見えない疲労が蓄積して慢性的な疲労につながります。
そうすると走るのがイヤになったり、フォームが崩れて負荷が一箇所に集中して長期的なケガの原因となってしまうことも。
一気に速くなろうとせず少しずつトレーニング量を増やしていきましょう。
5000m14分台を出した時のジョグのペース・距離
下の表は初めて5000mで14分台(14‘43“10)を出したときの「レース1週間前の練習メニュー」です。
日付 | 練習内容 | 距離(km) |
10/18 | E2km、(I1km(3’00)・jog200m)×5、E1.6km | 9.4 |
10/19 | E10km(5’57/km) | 10 |
10/20 | E10km(5’12/km) | 10 |
10/21 | E2km、E1.2km、T1.6km(3’12/km)×3+WS150m×3、E1.2km | 9.65 |
10/22 | Rest | ー |
10/23 | E10km(5’23/km) | 10 |
10/24 | E40分(5’20km) | 7.4 |
ジョグについてまとめると…
- 走行距離は基本10km
- ペースは5‘00〜6’00/km
僕自身はこれを基準にジョグをおこなっています。
ポイント練習で強度を上げた分、ジョグのペースは上げ過ぎないように心掛けています。
常に速いペースで走り続けるよりも、メリハリつけて走る方がタイムを伸ばすのに効果的だと実感しています。
ジョグ用にオススメのシューズ
トレーニングの中で最も割合の多い練習はジョグです。
だからこそ、ジョグの時にどんなシューズを履くかは重要です。
自分の走り方に合ったものを選ぶようにしましょう。
①ナイキ ペガサスシリーズ
厚過ぎず薄過ぎないため、毎日履くジョグシューズとしてオススメです。
僕自身もジョグシューズとして愛用しています。
(個人的にはエアズームペガサス36が特にお気に入りです!)
②オーバープロネーション気味ランナー向け
オーバーププロネーションとは、接地の際に足が内側に過度に倒れ込む状態のこと。
この状態で走り続けると膝や関節に過度に負荷がかかり、ケガの原因となります。
対策として、ソール(靴底)の硬いシューズを履きましょう。
ソールが硬いことで足を内側に潰すような接地ができなくなり、着地を矯正することができます。
オーバープロネーション用のシューズとしてはホカオネオネ アラヒ4などがあります。
僕自身もオーバープロネーション気味なので、ジョグではペガサス36とアラヒ4を使い分けています。
③サピネーション気味ランナー向け
サピネーション(アンダープロネーション)とは、接地の際にかかとが外側に過度に傾くこと。
要するに、オーバープロネーションの逆です。
この状態も着地の衝撃が大きくなるため、着地を修正せずに走り続けるとケガを引き起こしてしまいます。
サピネーションのランナーにオススメのシューズはアシックス GEL-EXCITE7です。
アシックスは日本人の足にフィットしやすい設計のシューズが多いため、初心者にもオススメです。
まとめ:ジョグは心拍数を基準に適切な強度で走ろう
今回は、ジョグの効果や距離・ペースについて、僕自身の経験とあわせてご紹介しました。
内容をカンタンにまとめると以下の通りです。
- ジョグには4つの効果がある
- ケガ耐性の獲得
- 心臓強化
- 毛細血管の増加
- 筋繊維の変化
- ジョグのペースは最大心拍数の65〜78%でおこなう
- 最低でも1回あたり30分以上走る
もちろん、これだけが正解ではないと思います。
実際、常に速いペースでジョグをおこなって結果を出しているランナーはいます。
ただ、僕自身も含めて多くの人にとってはオーバーワークとなる可能性の方が高いと実感しています。
やはり、自分に合ったトレーニング方法を探していくことが強くなる1番の秘訣です。
もし常に速いペースで走っていて結果が出ていないなら、気になったポイント1つだけでも練習に取り入れてみてください!
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