「仕事やアルバイトの繁忙期で忙しい」
「テスト前なので練習直前まで勉強した」
こんなときにトレーニングを行うと、普段より調子が悪かったりすることもあるのではないでしょうか?
脳の疲労とパフォーマンスの関係は様々な研究から明らかになっています。
ナイキによるマラソン2時間切りを目指したプロジェクト「Breaking2」では、キプチョゲ選手が2:00:25という驚異的なタイムを記録しました。
もちろん、この記録はキプチョゲ選手の身体能力の高さを物語っていますが、同時にキプチョゲ選手自身のメンタルの強さの表れでもあると言われています。
そこで今回は、精神的な疲労とパフォーマンスの関係についてご紹介していきます。
結論
結論、精神的な疲労があると身体的なパフォーマンスは低下します。
また、疲労自体は身体的なものよりも脳によって左右される部分が大きいと言われています。
ウェールズ大学バンガー校の研究
仕事や勉強で忙しかった日は、特に運動をしていなくても体が重かったり、動かすのがキツいときがありますよね。
この現象について、ウェールズ大学バンガー校では以下のような研究がおこなわれました。
上記の2ケースに分けてエアロバイクを漕いだ結果、認知テストを受けたケースの方が平均で1分54秒も早く疲労感を感じたという結果が出ています。
これをレースに換算して考えると、かなり大きなアドバンテージとなりますよね…
パフォーマンスを左右する要因
先程の研究結果のとおり、頭を使うことは身体的パフォーマンスに影響するほどエネルギーを必要とします。
ただし、興味深いのが心拍数・酸素摂取量・血糖値などは両グループともに大きな差は見られなかったという点です。
唯一の違いは主観的強度のみだったといいます。
先ほどの研究では、認知テストを受けて精神的に疲労した状態では、ペダルを漕ぎ始めてすぐに疲労を感じて、まもなくペダルを漕ぐのをやめてしまったといいます。
この結果受けて、報告書では「身体的なパフォーマンスは心肺能力ではなく最終的に疲労感で決まるところが大きい」と結論付けられています。
運動中の疲労をコントロールする場所:前帯状皮質
ここまでの内容で、筋肉自体は全く動かしていなくても、頭を使うと身体を動かすのがキツく感じることもあるということが分かりました。
これは逆に言えば、脳を鍛えて疲労を感じるのを遅らせることができれば、パフォーマンスを向上させられる可能性もあるということです。
極論を言ってしまえば、座ったままでもパフォーマンスを向上させることができる可能性もあると言えます。
ちなみに、運動中の疲労感をコントロールしているのは前帯状皮質と呼ばれる脳の一部です。
先程の研究で、被験者が90分の認知テストを受けたときに活性化したのもこの領域であったといいます。
レース前には精神的疲労も残さない
研究結果からも分かるように、レースで最高のパフォーマンスを発揮したり、ポイント練習で最大限の効果を得るには、精神的な疲労も残さないことが大切です。
そのため、仕事や勉強でかなり脳が疲れていると感じた日は、無理に練習しないことも選択肢のひとつです。
ただし、中程度の練習であれば精神的な疲労が影響する割合は少ないと言われています。
むしろ、運動によるストレス解消のメリットの方が大きいので、疲労具合を見ながら軽いjogをおこなうのもアリですね。
まとめ
今回の内容をまとめると、以下の通りです。
- 精神的な疲労はパフォーマンスの低下につながる
- レース前は精神的疲労も極力残さない
- 脳を鍛えることでパフォーマンスを向上できる可能性がある
最高のパフォーマンスを引き出すために、レース前は精神的な疲労についても意識することをオススメします!
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