5000m15分台「18週間」プログラム|①スピード練習編【陸上 中長距離】

レベル・種目別メニュー

今回は「5000m15分台(16分切り)を達成するための練習メニュー 」についてご紹介していきます!

5000m15分台というのは、高校生のなかでも県大会出場レベルくらいになります(もちろん地区によって違いはあります)。

そのため、高校生だけでなく市民ランナーの方のなかにも、15分台を達成できればひとつ上のレベルにいけると思いますし、目指しているランナーの方も多いと思います。

そこで今回は、「5000m15分台(16分切り)を達成するための練習メニュー」をご紹介していきます!

目標タイム&想定レベル

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18週間プログラムの目標タイムおよび想定するランナーのレベルは以下の通りです👇

目標タイム&想定レベル
  • 目標タイム:15’40〜50
  • 想定レベル
    1500m:4’20くらい
    3000m:9’20くらい
    10000m:33’30くらい

上記のうち、いずれかの種目で想定レベルに達していれば15分台は充分目指せます!

ぜひ今回ご紹介する練習メニューを参考に「5000m15分台」を目指してみてください!

メニューを見る前の注意点

今回紹介するメニューは”スピード練習”

さっそく具体的なメニューを紹介していくのですが、その前に1つ注意して欲しい点があります。

それは、5000m15分台を達成するためのメニューは今回紹介するメニューだけでは完結しないという点です。

なぜなら、シーズンを通してトレーニングメニューを組むときは「期分け」を行うからです。

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「期分け」とは、メインとなるトレーニングタイプを基にシーズンを分割して考える手法です!

メインとなるトレーニングタイプは4つあり、以下の順番で実施していきます

ひとつのタイプにつき6週間(3週間サイクル×2回)かけてトレーニングをおこないます。

そのため、トレーニング全体に要する期間は24週間(約6ヶ月弱)ほどになります。

このうち、今回はレペティション(スピード練習)のメニューについてご紹介していきます。

準備期間が不要なケース

先ほど「メインとなるトレーニングは4つある」とご紹介しました👇

  1. ジョグ
  2. レペティション(スピード練習)
  3. インターバル
  4. 閾値走(ペースランニング)

上記の通り、まずはジョグで基礎を固めていくのがセオリーですが、ある程度ランニング歴があるランナーの方であればこの準備期間は不要です。

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特にいま、この記事を読んでくれているランナーの方であれば基礎は充分できていると思います!

ジョグには様々な効果がありますが、そのひとつには「ケガをしない脚を作る」という目的もあります。

そのため、すでに記録会やレースに出場しているランナーであれば必ずしもジョグで基礎固めをする必要はないと思います。

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もちろん、「もう一度基礎から取り組む」というのも全然アリです!!

練習メニュー

さっそく、5000m15分台を出すための練習メニュー(スピード練習期)を紹介していきます。

なお、メニュー表の見方やポイントは以下のとおりです👇

メニューの見方・考え方
  • 太字=ポイント練習(高強度練習)
  • {200m(35″〜40″)・jog200m}×2
    =「200mを35〜40秒で走った後に200mjogを2セットやる」という意味
  • つなぎのjogはフリー(楽なペース)
  • トレーニング期間は合計6週間
    →3週間1セット×2サイクル

では、さっそくメニューをご紹介していきます🏃💨

第1週

曜日練習メニュー距離(km)
jog2km(5’07〜6’54/km)
・[{(200m(31″〜33″)・jog200m)×8}・jog800m]×2
・jog2km(5’07〜6’54/km)
10.8
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
Rest
・jog2km(5’07〜6’54/km)
・(200m(31″〜33″)・jog200m)×4、(1.6km(6’09〜26 or 5’50〜6’04)・Rest1分)×2、(200m(31″〜33″)・jog200m)×4
・jog2km(5’07〜6’54/km)
10.2
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
Long jog16km(5’07〜6’54/km)16
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜10
10+

先ほど競技レベルによっては基礎作りは不要だと言いましたが、これは「ジョグをしなくても良い」ということではないです。

ジョグは走力維持にも必須なので、基本的に1回40〜60分くらいを目安におこなうようにしましょう。

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週に1回ロングジョグもおこなうようにしましょう!!

ポイント練習はスピード練習メインにおこない、サブタイプの練習として閾値走なども併行しておこないます。

第1週まとめ
  • 週間走行距離67km
  • スピード×1
  • スピード+閾値走×1
  • ロングジョグ×1

第2週

曜日練習メニュー距離(km)
jog2km(5’07〜6’54/km)
{(200m(31″〜33″)・jog200m)×2・400m(63″〜67″)・jog400m}×4
jog2km(5’07〜6’54/km)
10
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
Rest
jog2km(5’07〜6’54/km)
(1.6km(6’09〜26 or 5’50〜6’04)・Rest1分)×3、(200m(31″〜33″)・jog200m)×6
jog2km(5’07〜6’54/km)
11
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
Long jog16km(5’07〜6’54/km)16
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜10
10+

第2週のメニューも第1週と大きな違いはありません。引き続きスピード練習を軸に継続していきます。

ちなみに、スピード練習をおこなうときのポイントはランニングフォームを意識することです。

スピード練習には、

  • 無酸素性能力の向上
  • スピード持久力の強化
  • ランニングエコノミーの改善

などの効果があります。

このうち、ランニングエコノミーとはスピードに対して消費する酸素量のことです。

フォームが崩れた状態で走るとランニングエコノミーの向上効果が減ってしまいます。そのため、フォームを意識することが大切になります。

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スピード練習はレベルの近いランナー同士でおこなうことをオススメします!

第2週まとめ
  • 週間走行距離67km
  • スピード×1
  • スピード+閾値走×1
  • ロングジョグ×1

第3週

曜日練習メニュー距離(km)
jog2km(5’07〜6’54/km)
(200m(31″〜33″)・jog200m)×4、(400m(63″〜67″)・jog400m)×4、(200m(31″〜33″)・jog200m)×4
jog2km(5’07〜6’54/km)
10.2
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
Rest
jog2km(5’07〜6’54/km)
(600m(1’53〜54)・jog200m)×7
jog2km(5’07〜6’54/km)
9.4
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
jog2km(5’07〜6’54/km)
jog14km(4’10〜36/km)
ながし10〜15秒×5〜6
16+α
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜10
10+

第3週ではインターバルトレーニングを実施していきます。

この段階ではインターバルよりもスピード練習がメインですが、6週間のトレーニングプログラムを終えた後はインターバルがメインの練習になります。

そのため、次の段階への準備としてインターバルをおこないます

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まずは600m〜などのショートインターバルで慣らしていきます!

また、3周目と6周目のロングジョグはやや速いペースで実施します。

練習効果としては大きく変わりませんが、距離に対する耐性やメンタル面の強化が期待できます!

第3週まとめ
  • 週間走行距離65.6km
  • スピード×1
  • インターバル×1
  • ロングジョグ(速め)×1

第4週

曜日練習メニュー距離(km)
・jog2km(5’07〜6’54/km)
(400m(63″〜67″)・jog400m)×4・jog1.6km(5’07〜6’54/km)・(400m(63″〜67″)・jog400m)×4
jog2km(5’07〜6’54/km)
11.6
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
Rest
・jog2km(5’07〜6’54/km)
(200m(31″〜33″)・jog200m)×4、4.8km(18’27〜19’18 or 17’30〜18’12)、(200m(31″〜33″)・jog200m)×4
jog2km(5’07〜6’54/km)
11.8
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜8
10+
Long jog16km(5’07〜6’54/km)16
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×5〜10
10+

第4週は、基本的に第1週と同じトレーニングをおこないます。

第1週と違う点は2回目のポイント練習の内容です。

第1週では1.6kmの閾値走を3セットおこなうクルーズインターバルの形を取っていましたが、第4週では4.8kmを中断無く走るテンポ走の形でおこないます。

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いわゆるペースランニングがテンポ走に当たります!

第4週まとめ
  • 週間走行距離69.4km
  • スピード×1
  • スピード+閾値走×1
  • ロングジョグ×1

第5週

曜日練習メニュー距離(km)
jog2km(5’07〜6’54/km)
{(200m(31″〜33″)・jog200m)×2・400m(63″〜67″)・jog400m}×4
jog2km(5’07〜6’54/km)
10
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×8
10+
Rest
jog2km(5’07〜6’54/km)
(1.6km(6’09〜26 or 5’50〜6’04)・Rest1分)×4、(200m(31″〜33″)・jog200m)×4
jog2km(5’07〜6’54/km)
11.8
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×8
10+
Long jog16km(5’07〜6’54/km)16
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×10
10+

このあたりになると疲労もかなり溜まってくると思います…

もし極度に身体が重く感じたり、走るのがイヤになり始めたときは思い切ってRestをはさみましょう

1日休んだところで体力が低下することはありません。むしろ、適度な休息を挟まないと超回復が起こらず、いつまで経ってもタイムが伸びません。

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僕も「休むのが怖い」という理由から義務感で毎日走っていた時期がありましたが、全然自己ベストを更新できませんでした…

そのため「今日はロングジョグの日だけど…調子が悪いから10kmジョグに変更しよう!」という感じで臨機応変にアレンジすることも大切です!

むしろ、自分の体調と相談しつつメニューをアレンジする対応力こそが強さだと言えます。

くれぐれも無理はしないようにしましょう!

第5週まとめ
  • 週間走行距離67.8km
  • スピード×1
  • 閾値走+スピード×1
  • ロングジョグ×1

第6週

曜日練習メニュー距離(km)
jog2km(5’07〜6’54/km)
(400m(63″〜67″)・jog400m)×8
jog2km(5’07〜6’54/km)
10
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×8
10+
Rest
jog2km(5’07〜6’54/km)
(1km(3’08〜10/km)・jog400m)×3、(600m(1’53〜54)・jog200m)×4
jog2km(5’07〜6’54/km)
11.2
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×8
10+
jog2km(5’07〜6’54/km)
・jog14km(4’10〜36/km)
ながし10〜15秒×6
16
・jog10km(5’07〜6’54/km)
・ながし10〜15秒×10
10+

第6週はポイント練習の強度がやや高めになっています。特に週の中盤には1kmのインターバルを組み込んでいます。

この段階のインターバルではつなぎのジョグの時間をあまり気にし過ぎないようにしましょう

インターバルは、

  • 速いペースで走る急走期
  • つなぎのジョグの緩走期

の2つに分けることができます。

このうち緩走期が長過ぎると練習効果が減ってしまうのですが、それを気にするあまり間のジョグのペースを速めてしまうヒトもいます。

ですが、急走期の設定ペースを守れなくなる方が練習効果は大きく減ってしまいます

そのため、つなぎのジョグは無理に速めずにラクなペースでおこないましょう!

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「自分のレベルに合わせて練習をする」という点はスピード練習も同じです!

第6週まとめ
  • 週間走行距離67.2km
  • スピード×1
  • インターバル×1
  • ロングジョグ(速め)×1

オススメシューズ

練習するにあたり「オススメのシューズとかないの?」って思った方もいると思います。

結論から言うと、シューズは自分に合ったものであれば何でも良いと思います

ただ、「そうは言ってもどれを選べばいいのか迷う…」という方もいると思います。

そこで僕が実際に使っているシューズを紹介します👇

ペガサスターボ2

まず1足目が「ペガサスターボ2」です。

ナイキの厚底シューズの1つで、クッション性反発力を兼ね備えた一足です。

ヴェイパーフライとの大きな違いはカーボンプレートが搭載されていない点です。

こんな場面でオススメ
  • ポイント練習
  • ロングジョグ

ただ、紹介しておいて非常に申し訳ないのですが、このシューズは既に廃盤となってます…😭

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そのため、入手するとなるとかなり高価格になってしまいます….

「そこまで高いのはちょっと…」という方は、ペガサスターボ2の後継とされているテンポネクストなどをオススメします!👇

ナイキ ウィメンズ エア ズーム テンポ ネクスト% フライニット NIKE (ナイキ) CI9924-401 BLU

エアズームペガサス36

2足目は「エアズームペガサス36」です。

ナイキのペガサスシリーズは歴史も長く、現在はペガサス39が最新モデルとなっています。

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「じゃあ、なんで最新モデルを履かないの?」と思った方…鋭いですね!

僕が「ペガサス36」を好む理由は、他のペガサスシリーズと違いソール(靴底)が厚過ぎないからです。

こんな場面でオススメ
  • 普段のジョグ
  • ウォーミングアップ
  • ポイント練習

最近は厚底ブームもさらに加熱し、ジョグ用シューズも厚底ばかりです。

ですが、普段から厚底ばかり履いていると本来の接地感覚にズレが生じてきます

例えば…

  • アーチ(土踏まず)を潰すような走り
  • 足を地面に叩き付けるような接地

などが身に付いてしまいます。

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それが巡り巡ってフォームの崩れやケガにつながってしまうのです…

そのため、普段のジョグでは底が厚過ぎないシューズを履いてバランスを取ることをオススメします!

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「ジョグ用」と言いましたが、ペガサス36はポイント練習でも充分使えるのでオススメです👍

まとめ

今回は「5000m15分台を目指す方向けの練習メニュー:スピード練習編」ということで紹介してきました。

ポイントをまとめると、

  • 3週間1セット×2サイクルの合計6週間
  • スピード練習とセットで閾値走もおこなう
  • 3週目と6周目はインターバルも実施
  • 週1回ロングジョグをおこなう

といった感じになります!

正直なところ、「1ヶ月で5000mを15分台まで持っていきたい!」とかは無理があると思います…

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才能のある天才的なランナーの方であれば余裕なのかもしれませんが…😑

ですが、今回紹介したメニューをこなしていけば確実にタイムは伸びていきます。地道にコツコツ走っていきましょう!

ということで、最後まで読んでいただきありがとうございました!

次は「5000m15分台練習メニュー②:インターバル編」です!

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陸上ブログの”Y-RUNNING.COM”を運営している” Y”といいます。詳しいプロフィールはこちら。この記事が気に入ったら、Twitterなどでシェアしてもらえると嬉しいです!

参考書籍

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